Classici giapponesi con furigana
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どうそもんどう
道祖問答
Leggi 道祖問答 (どうそもんどう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2227 caratteri · 5 schermate
されば、翁も心安う見参に入り、聴聞の御礼申そう便宜を、得たのでござる。」
「何とな。」
道命阿闍梨は、不機嫌らしく声をとがらせた。道祖神は、それにも気のつかない容子で、
「されば、恵心の御房も、念仏読経四威儀を破る事なかれと仰せられた。翁の果報は、やがて御房の堕獄の悪趣と思召され、向後は……」
「黙れ。」
阿闍梨は、手頸にかけた水晶の念珠をまさぐりながら、鋭く翁の顔を一眄した。
「不肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼を曝した。凡百の戒行徳目も修せなんだものはない。その方づれの申す事に気がつかぬうつけと思うか。」――が、道祖神は答えない。切り燈台のかげに蹲ったまま、じっと頭を垂れて、阿闍梨の語を、聞きすましているようである。
「よう聞けよ。生死即涅槃と云い、煩悩即菩提と云うは、悉く己が身の仏性を観ずると云う意じゃ。己が肉身は、三身即一の本覚如来、煩悩業苦の三道は、法身般若外脱の三徳、娑婆世界は常寂光土にひとしい。道命は無戒の比丘じゃが、既に三観三諦即一心の醍醐味を味得した。よって、和泉式部も、道命が眼には麻耶夫人じゃ。男女の交会も万善の功徳じゃ。われらが寝所には、久遠本地の諸法、無作法身の諸仏等、悉く影顕し給うぞよ。