Classici giapponesi con furigana
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ちがうへいはちろう
違う平八郎
山本 周五郎
Leggi 違う平八郎 (ちがうへいはちろう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.142 caratteri · 27 schermate
「あれで無いとは何だ」
「その、あの、あの豪傑の本多平八郎では無いので、違う方の平八郎でございます、全く違う方の……」
「わはははははは」
破れるような哄笑がどっと広間に溢れた。
「ははははは」
信長も思わず笑って、
「そうか、違う方の平八郎か、面白いな、豪傑でない方の平八郎とは奇妙だ」
「わはははは」
「あっはははははは」
いちど蒼くなった若者の顔が、今度はぽっと赧くなり、何やら口の内でぶつぶつ呟きながら隅の方へ身を縮めて行く、すっかりあがったその恰好がまた笑を誘う種であった。
是が別の場合であったら、こんな結果には成らなかったかも知れない。何しろ勝戦の祝いを兼ねた賀宴の無礼講ではあり、さっきから戦場の失敗談で一座の空気が明るく崩れているところへ、若者の挨拶がひどく場馴れのしない取乱したものだったので、人々は唯もう腹を抱えて笑って了ったのである。
「――五郎左」
やがて信長は振向いて、
「まだ新参とか申したな」
「は、伊勢攻めの折に召抱えました者で」
「徳川の四天王、鬼平八と同名なれば戦いの程もさぞ眼覚しかったであろう」
「それがまた実に」
「暫く、どうぞそれ許りは」