Classici giapponesi con furigana
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さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
Leggi 避けぬ三左 (さけぬさんざ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.846 caratteri · 22 schermate
「ああ国吉、あぶないぞ」「無理をするな国吉、もどれ」うしろからみんなが叫んだ。
三左衛門は戻らなかった、大槍を手にして、まっすぐに敵の城門をねめつけながら、ゆっくりと大股に、ずんずん進んでいった。弾丸は彼をめがけて集中した、しかし彼は身をかがめようともしない、眼も動かさない、ただまっすぐに、ずんずん進んだ、そして城門まで二三十間の近さへ来ると、槍を大地につき立てて停り、
「城の大将にもの申す」と大音をあげて叫んだ。それは敵味方の銃声を圧倒するほどの響きをもっていた。「城の大将にもの申す、山中城すでに落ち、守将松田康長どのはじめ池田民部、椎津、行方、栗木、山岡、各部将それぞれ討死をされた、韮山城もまた乗り崩され、箱根山中には小田原軍の影もとどめぬ、あわれ鷹巣城の諸公も及ばぬ腕立てをせんよりは、早く城門を開いて降参せられよ」りんりんと四方にとどろく声だった、「さらば国吉三左衛門、ここふみ破って見参申すぞ」
大槍を、空へ高く突きあげながら、そう叫んで前へ出たその刹那である、城方から射かけた矢が、三左衛門の体へふつふつと突き立った。彼の大きなからだは僅かによろめき、兜をはねている頭がぐらりと前へ傾いた。