Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
Leggi 避けぬ三左 (さけぬさんざ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.846 caratteri · 22 schermate
け、なんだと思う、ここは天下の大道だぞ」
よほど癇癪持ちとみえて、昼間の松明がどうの家鴨の躄がこうのと、早口でよくわからないことを、いろいろとならべながら喚きたてた。……こちらは黙っていた、今しがた天気を訊かれたときとおなじように、前の方をまっすぐに見戍ったまま石像のように黙っていた。もっとも、彼が黙っているかわりに伴れている犬が吠えた。さかんに吠えた。りっぱな武士が叫びたてるのと一緒に、主人のうしろから鼻面をだし、きゃんきゃんわんわんと耳を刺すような声で吠えたてた。そばから見ると、まるでその武士と犬との喧嘩にさえ見える。……ずいぶんしばらくそんな状態がつづいた、けれども物には終りというものがある、やがて三左と呼ばれる男はしずかにふりかえり、狂ったように吠えたてている犬にむかって、大喝一声、
「黙れ、貴様の出る場合ではない!」と叱りつけた。……のちに人の伝えるところによると、そのときの一喝は、一町四方の家々の戸障子にびりびり響きわたったという。……犬は黙った、りっぱな武士も黙った。それから遠巻きに見ていた群衆も鳴りをひそめた、つまり一喝であらゆる物音がとまり、街筋は森閑となってしまった。