Classici giapponesi con furigana
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じゅうきちひょうりゅうきぶん
重吉漂流紀聞
久生 十蘭
Leggi 重吉漂流紀聞 (じゅうきちひょうりゅうきぶん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.456 caratteri · 52 schermate
そのうちには雨はやんだが、風はいよいよ吹きつのる。伊豆の子浦の地方の見えるあたりまで行ったところで、舵を壊され、船が横倒しになって山のような浪がうちこむ。これはというので、総出になって荷打(積荷を海へ捨てること)をしたが、それでも及ばないから、帆柱を切倒しにかかった。
帆柱を倒すのはむずかしいもので、倒そうと思う方(風下の方)はすこし下、風のほうはすこし上の方を、目の高さほどのところへ、同時に双方から斧を入れるのが心得になっている。舷に帆布や蒲団のような柔かなものをかい、帆柱がフワリと跳ねかえって海へ落ちるように仕掛け、さあいま倒れるというとき、すばやく控綱を切る。これが遅れると、ハンドウにひかれて帆柱が縦に倒れて舳を割ることがある。言うのはやすいが、天地を覆えすような大時化の中でやることだから、斧を持って転げまわるばかりで思うようなこともできない。朝の五ツ時にかかって、八ツ時にようやく切り倒し、地方の見えるところで麾をあげる。菰と笠を棹の先につけて舳に立て、流れ舟だから助け舟を出してくれというこれが合図。千二百石積の流れ船はあまりないことだから、村方でもなんとかして助け舟を出そうと、岸波の寄せてはかえす荒磯を、蓑笠着た人々が走りまわっているのが見えたが、そのうちに岩角の高いところへ上って詫火を焚きだし