Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

Leggi 野ざらし (のざらし) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.100 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

がその言葉は、彼の予期しない方面へ飛んでいった。

「君は富士の裾野を旅したことがあるかい?」

「ありません。」と昌作はぼんやり答えた。

「僕は富士の裾野を旅してる所を夢に見たよ。そして実際に行ってみたくなった。富士の……幾つだったかね……五湖、七湖、八湖……あの幾つかの湖水めぐりって奴ね、素敵だよ、君。鈴をつけた馬に乗って、尾花の野原をしゃんしゃんしゃんとやるんだ。……河口湖ってのがあるだろう。その湖畔のホテルに大層な美人が居てね、或る西洋人と……多分フランス人と、夢のような而も熱烈な恋に落ちたなんてロマンスもあるそうだよ。山上の湖水と……あまり山上でもないが、海岸に比ぶれば土地はよほど高いんだろう、まあ山上の湖水と云えば云えないこともないね。……ああ、そうそう、君は、山上の湖水なんかにどうして鰻がいるか知ってるかい? 鰻って奴は、必ず海に卵を産んで、その卵から孵ったのが、川を遡って内地……と云っちゃあ変だが、海に遠い山間の渓流へまでやって来るんだよ。それが出口も入口もない山上の湖水にまで、どうして来ると思う? 知らないだろう? そいつが面白いんだ。何とか云う学者の説に依ると、鰻の小さい奴が、まあ幼虫だね、それが水鳥の足にくっついて山上の湖水まで運ばれるんだそうだ。