Classici giapponesi con furigana
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のにこえなし
野に声なし
豊島 与志雄
Leggi 野に声なし (のにこえなし) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4460 caratteri · 9 schermate
然しながらそれは常に、或る魂から生れてくる、粉飾のない赤裸な魂から生れてくる。
茲に至ってもはや、芸術家としての心境は問題でない。人としての魂それ自身が問題である。
そういう魂こそは、光を放つ。自分を生かし他を生かす健かな光を放つ。
魂を或る境地に据えつけるのは、まださほどの難事ではない。魂に光を放たしむることは、難中の難である。
それは、外的刺戟をも内的刺戟として生かし得る人、常に敬虔な真摯な生き方をし得る人、利己心を去って赤裸に物を観じ得る人、そういう人にして初めてなすことが出来る。
そして、斯かる魂を受け容れ得る文壇は、所有し得る文壇は、更に、醸し育て得る文壇は、幸なる哉である。
そういう文壇は、煩瑣な擾乱に毒さるることなく、常に溌剌と進んでゆくことが出来るのである。作家達を皷舞する光を失わないのである。
思えば吾が文壇も、野に声なしの歎を感ずること既に久しい。