Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
のわき
野分
Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate
追い還されさえしなければ大旦那か若旦那かは問うところでない。しかし聞かれた以上はどっちか片づけなければならん。どうでもいい事を、どうでもよくないように決断しろと逼らるる事は賢者が愚物に対して払う租税である。
「大学を御卒業になった方の……」とまで云ったが、ことによると、おやじも大学を卒業しているかも知れんと心づいたから
「あの文学をおやりになる」と訂正した。下女は何とも云わずに御辞儀をして立って行く。白足袋の裏だけが目立ってよごれて見える。道也先生の頭の上には丸く鉄を鋳抜いた、かな灯籠がぶら下がっている。波に千鳥をすかして、すかした所に紙が張ってある。このなかへ、どうしたら灯がつけられるのかと、先生は仰向いて長い鎖りを眺めながら考えた。
下女がまた出てくる。どうぞこちらへと云う。道也先生は親指の凹んで、前緒のゆるんだ下駄を立派な沓脱へ残して、ひょろ長い糸瓜のようなからだを下女の後ろから運んで行く。
応接間は西洋式に出来ている。丸い卓には、薔薇の花を模様に崩した五六輪を、淡い色で織り出したテーブル掛を、雑作もなく引き被せて、末は同じ色合の絨毯と、続づくがごとく、切れたるがごとく、波を描いて床の上に落ちている。