Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate

Aozora Bunko

「湯豆腐かい」

「はあ、何にもなくて、御気の毒ですが……」

「何、なんでもいい。食ってさえいれば何でも構わない」と、膳にして重箱をかねたるごとき四角なものの前へ坐って箸を執る。

「あら、まだ袴を御脱ぎなさらないの、随分ね」と細君は飯を盛った茶碗を出す。

「忙がしいものだから、つい忘れた」

「求めて、忙がしい思をしていらっしゃるのだから、……」と云ったぎり、細君は、湯豆腐の鍋と鉄瓶とを懸け換える。

「そう見えるかい」と道也先生は存外平気である。

「だって、楽で御金の取れる口は断っておしまいなすって、忙がしくって、一文にもならない事ばかりなさるんですもの、誰だって酔興と思いますわ」

「思われてもしようがない。これがおれの主義なんだから」

「あなたは主義だからそれでいいでしょうさ。しかし私は……」

「御前は主義が嫌だと云うのかね」

「嫌も好もないんですけれども、せめて――人並には――なんぼ私だって……」

「食えさえすればいいじゃないか、贅沢を云や誰だって際限はない」

「どうせ、そうでしょう。私なんざどんなになっても御構いなすっちゃ下さらないのでしょう」

「このてっか味噌は非常に辛いな。