Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんぎょりょうらん

金魚撩乱

岡本 かの子

Leggi 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.999 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

いろいろな特色から有名な場所になっている。

この周囲の泥沙は柳の多いところで、復一は金魚に卵を産みつけさせる柳のひげ根を摂りに来てここを発見した。

「生命感は金魚に、恋のあわれは真佐子に、肉体の馴染みは秀江に。よくもまあ、おれの存在は器用に分裂したものだ」

もくもくの水の湧き上る渦の音を聞いて復一の孤独が一層批判の焦点を絞り縮めて来た。

復一は半醒半睡の朦朧状態で、仰向けに寝ていた。朦朧とした写真の乾板色の意識の板面に、真佐子の白い顔が大きく煙る眼だけをつけてぽっかり現れたり、金魚の鰭だけが嬌艶な黒斑を振り乱して宙に舞ったり、秀江の肉体の一部が嗜味をそそる食品のように、なまなましく見えたりした。これ等は互い違いに執拗く明滅を繰り返すが、その間にいくつもの意味にならない物の形や、不必要に突き詰めて行くあだな考えや、ときどきぱっと眼を空に開かせるほど、光るものを心にさしつける恐迫観念などが忙しく去来して、復一の頭をほどよく疲らして行った。

いつか復一の身体は左へ横向きにずった。そして傾いたボートの船縁からすれすれに、蒼冥と暮れた宵色の湖面が覗かれた。宵色の中に当って平沙の渚に、夜になるほど再び捲き起るらしい白浪が、遠近の距離感を外れて、ざーっざーっと鳴る音と共に、復一の醒めてまた睡りに入る意識の手前になり先に