Classici giapponesi con furigana
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
Leggi 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.999 caratteri · 67 schermate
「ボートへ入ってもいいの」
「……うん……」
復一に突然こんな感情が湧いた――誰も不如意で悲しいのだ。持ってるようでも何かしら欠けている。欲しいもの全部は誰も持ち得ないのだ。そして誰でも寂しいのだ――復一は誰に対しても自分に対しても憐みに堪えないような気持ちになった。
名月や湖水を渡る七小町
これは芭蕉の句であったろうか――はっきり判らないがこんなことを云いながら、復一の腕は伸びて、秀江の肩にかかった。秀江は軟体動物のように、復一の好むどんな無理な姿態にも堪えて引寄せられて行った。
復一はそれとない音信を時々真佐子に出してみるのであった。湖水の景色の絵葉書に、この綺麗な水で襯衣を洗うとか、島の絵葉書にこの有名な島へ行く渡船に渡し賃が二銭足りなくて宿から借りたとか。
すると三度か四度目に一度ぐらいの割で、真佐子から返信があった。それはいよいよ窈渺たるものであった。
「この頃はお友達の詩人の藤村女史に来て貰って、バロック時代の服飾の研究を始めた」とか「日本のバロック時代の天才彫刻家左甚五郎作の眠り猫を見に日光へ藤村女史と行きました。とても、可愛らしい」