Classici giapponesi con furigana
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
Leggi 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.999 caratteri · 67 schermate
蘭鋳は胴は稚純で可愛らしかった。が顔はブルドッグのように獰猛で、美しい縹緻の金魚を媒けてまずその獰猛を取り除くことが肝腎だった。
崖邸にもあまり近づかない復一は真佐子の夫にもめったに逢わなかったが真佐子の夫という男は、眼は神経質に切れ上り、鼻筋が通って、ちょっと頬骨が高く男性的の人体電気の鋭そうな、美青年の紳士であった。ある日曜日の朝のうち真佐子と女の子を連れて、ロマネスクの茶亭へ来て、外字新聞を読んだりしていた。その時すぐ下の崖の中途の汚水の溜りから金魚の餌のあかこを採って降りようとした復一がふとそこを見上げたが、復一はそれなり知らぬ振りでさっさと崖を降りてしまった。それを見た真佐子はそこに夫と居ながら、二人一緒に居るのが何だかうしろめたかった。
「いいじゃないか。なぜさ」
と夫は無雑作に云った。
「だって、ここで二人並んで居るのをどこからでも見えるでしょう」
と真佐子は平らに押した。
「どうして君とおれと、ここに居るのが人に見えて悪いのかね」
夫の言葉には多少嫌味が含んでいるようだ。
「何も悪いってことありませんけど、谷窪の家の人達から見えるでしょう。