Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.251 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

」呻くように藤吉が言った。「それとも縊れ死んだのか――。」

「何か、細紐のようなものででも――。」

彦兵衛が口を挾むと、

「いや、皺の寄り具合えから見ると、こうと、糸を束ねたような物だな。三味線の糸でも――。」

武右衛門の咽喉を辿っていた手を離して藤吉は、発見者の男衆へ向き直った。

「そこで、お前の名だが、何と言いなさるかね。」

「藤吉。」

「え?」

「藤吉てんで。」

にやにやする彦兵衛をちらと見て、藤吉は、

「藤吉さんか。」

「へえ。出方の藤吉と申しやす。へえ。」

「うむ。藤吉さん、おらあ八丁堀の者だが――。」

「ええもう、よく存じ上げております。親分と同じ名前で恐れ入りやすが――。」

「そんなこたあどうでもいい。見つけた次第を細かに話してもらおうじゃねえか。」

「いえね、後に出る人の顔が揃ったかどうか見ようと思いましてね、楽屋番の八兵衛に訊くつもりで、おもてからここへはいってまいりますと、御覧のとおり薄っ暗いんでよく見えませんでしたが、こっち側の部屋に、いま、あの操り人形の舞台の置いてある向う側で、太夫の竹久紋之助さんと、おこよさんが何かしきりに話し込んでいました。