Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.251 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

裏のほうで、芸人たちの世話をする男たちの話が、まだ何も知らないらしく、暢気に笑いさざめいて聞こえていた。

廊下の入口を見返ると、前に言ったように、大きな裸蝋燭がじいじいと燃えつづけて、その黄色い光線が、幅の広い角度を取ってぼんやり部屋の障子を照らし出している。自然に作り出される光の魔術とでも言おうか、細い個所の一方にだけひかりが動いているので、ちょっと不思議に見えるほど、その蝋燭の灯が、壁に、天井に、複雑に交錯しているのだった。これならば、遠くまで、わりにはっきりと影を投げたことであろうと、藤吉は思った。

彼は、ゆっくり頭をかきながら、

「なあ、藤吉どん。ここんところをもう一度聞こうじゃあねえか。いいか――おまはんが、この客席の戸からはいって来る。部屋の障子がすこしあいて、人形太夫の紋之助さんと――女は、何と言ったっけな?」

いつの間にか、帰って来ていた幸七が、口を入れて、

「おこよさんと言いましてね、紋之助さんの三味線引きでございます。」

「うむ。そのおこよさんと紋之助が話し込んでいて、ここに、今のとおりに武右衛門が死んで倒れていた。他には誰もいなかった――と、こう言いなさるんだね?」