Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.625 caratteri · 26 schermate
烏の群が立っては飛び、疲れては翼を休める岸近くの捨小舟は――。
「ほかじゃあねえが、あそこにゃあああいつも勘三郎がいますのかえ?」
「いいえ、ほんのこの二、三日。」
と聞くより藤吉はおみつを促して、悠々と階下へ降りて行った。
台所の板敷に若い男が平伏している。
裏通りの風呂屋の三助で、名は幸七、出来て間もないおみつの隠男であった。肌の流しが取り持つ縁で二人はいつしか割りない仲となり、久松留守の札で良人の不在を知らせては、幸七を忍ばせて、おみつは不義の快楽に耽っていたのだったが、昨夜も昨夜とて――。
「今朝早く帰るつもりでいますと。」幸七は額を板へ擦りつけて、「夜の明ける前にあの騒ぎなんで。表には小僧衆、裏へ出れば人がいるので、お神さんの智慧で、今までこの揚覆の下にはいっていました。旦那に代ってお斬りになる分には文句もありませんが、人殺しだけは露覚えのないこと――。」
おみつも並んで手を突いた。二人は泣声で申し開いた。密通の段は重々恐れ入るが、孫右衛門殺しは夢にも知らない。こう口を揃えて二人は交々陳弁に努めた。
味噌松が二人を調べていた。藤吉は黙って見ていた。