Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.625 caratteri · 26 schermate
「この溝は横町から坂本町へ出ている、なんてお前さん、よく御存じだのう。」
溝の中から藤吉は続ける。
「つかねえことを訊くようだが、お前さん何貫ある?」
「え?」
「目方のことよ。十八貫はあろう?」
「それがどうした。」
「どうもしねえ。ただ、八州屋は小男だ、十二貫もあったかしら――。松さん、足駄の跡を見ろい。十二貫にしちゃあ深えのう。」
「――――」
四つの眼がはたと会う。
「十八貫にしたところでまだ深え。」
「――――」
「二つ寄せて三十貫! はっはっはっ、まるで競売だ。どうだ、松さん、買うか。」
無言。水の音。
「お前、先刻異なことを言ったのう。」と藤吉は溝を出て、「なんだと? お神さんにあの鉞は持てめえだと? あの鉞たあどの鉞だ?」
「う――ん。」
「野郎、唸ったな。え、こうっ、よく鉞へ気がついたのう。」
二人の男は面と向って立つ。
「顫えるこたあねえや。なあ、松。」藤吉は柔かに、「お前、手先の分際で三尋半を持ってるってえ噂だが、ほんとか。」
味噌松はちらりと背後を見た。藤吉はおっかぶせる。
「箱崎辺りで待伏せして旦那の首を繩で締め仏の足の物を穿いて屍骸を蔵へ運び入れ鉞で脳天を潰したのは、松公、どこの誰だ?」