Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.598 caratteri · 26 schermate
「悪戯じゃあるめえ。」遠いところを見るような眼で、独言のように藤吉は続ける。「一夜さに、竹の先の笊目籠が生首に変った。ふうむ、なにかえ桔梗屋さん、他人の意趣返しをされるような心当りでもありやすかえ? いやね、俺あ考えるんだが、どうもこいつああまり江戸じゃあ流行らねえ悪戯だからのう。」
物堅い桔梗屋八郎兵衛、四角く畏った。
「意趣返しなぞとは思いも寄りません。何一つ含まれるようなことはございませんで、へえ。」
「お糸さんはいく歳だったけのう?」
「取って十七でございます。」
「式部小町、評判だぜ。」
「お蔭様で彼娘もしっかり者――。」
「岡目八目、こうっ、大丈夫けえ?」
「ええええ、その方はもう――じつはまだ祝言前ですからお披露目も致しませんが、許婚の婿も決まっておりまするようなわけで、へえ。」
「婿? 耳寄りだな。誰ですい?」
「自家の弥吉でございます。職人並みに年期を入れさせておりますが、あれは死くなった家内の甥で――。」
「うん、うん、弥吉どん、あの、色の白え、背の高え――そう言えば見えねえが、他行かえ。」
「へえ、十日ほど前に、浦和の実家へ仏事にやりましたが、もう今日明日は戻る時分と――。