Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9145 caratteri · 19 schermate
」
皆まで聞かず、藤吉は葬式彦兵衛に命令けた。
「手前吉原まで一っ走りして、その歌右衛門さんとやらに知らせて来い。――それから。」
と彦兵衛の後を追いながら何やら二言三言耳打ちした。その間に勘次は死骸の肌を開いて傷痕を出していた。正面へ廻って藤吉はその柘榴のような突傷を撓めつ眇めつ眺めていたが、いっそう身体を伏せると、指で傷口を辿り出した。それから手習いをするように自分の掌へ何かしら書いていた。
「出刃でやらかしたってえのかい?」
と三吉を振り返った。三吉はうなずいた。そしてついでに懐中から公儀の始末書状を取り出して見せた。が、それには眼もくれずに、
「丑満近え子の刻に、相好のわからなくなるほどの煮え湯を何だってまた沸かしておきゃがったもんだろう。」
死骸を離れながら藤吉は憮然としてこう言ったが、急に活気を呈して、
「勘、手前見たか、あれを。」
「何ですい?」
「とちるねえ、天井板の指痕をよ。」
「へえ、見やした。たしかに見やしたぜ。」
「ふうん。」と、藤吉は考えていた。と、差配の伊勢源へ向き直って、
「きっぱり黒白をつけてえのが、あっしの性分でね、天下の公事だ。