Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つりしのしんきょう

釣り師の心境

坂口 安吾

Leggi 釣り師の心境 (つりしのしんきょう) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5544 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

それに鮎は、手でつかんでも、手が臭くならないことが私を安心させもした。

私は朝の四時にはすでに流れに立っていた。私の家から流れまで三十秒、土堤を登って降りるだけの時間ですむのである。

私は三十分ぐらいの時間に三十匹程メダカを釣った。五本のカバリがついていたが、時には同時に三匹つれたこともあった。つれた時、糸をあげる手応えは、メダカでも、ちょッと悪くないものだ。それが気に入って、三日間つゞけたが、だんだん釣れなくなったので、やめた。たくさん泳いでいる鮎の姿は目に見えるが、利巧になるせいか、かからなくなってしまう。それに、ちょッと明るくなると、流し釣はもうダメである。薄明とカバリの色や形とに微妙な関係があるらしく、私の五ツのカバリのうちで、かかってくるのは、いつも同じハリであった。なるほど釣り師が微妙な心境になったり、むつかしいことを言いたがる心境になるのも当然かも知れない。とにかく、エサをつける手間がかゝらないという点だけで、私は今でも、鮎つりだけはやってもよい気持が残っているのである。

小林秀雄、島木健作は馬鹿正直にやってきて、メダカをくって酒をのんでいた。