Classici giapponesi con furigana
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ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
Leggi 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.863 caratteri · 73 schermate
額が不自然に狭かった。これも一見不愉快であった。先天的犯罪人の相でもあった。が、これとて一方から云えばソクラテスの額に似ていると云った、一種病的な天才等に、往々見受けられる額であった。両眼がひどく飛び出していた。枝の端などで突かれなければよいが、こんな事を思わせる程飛び出していた。だがやっぱりこの眼付きも、ソクラテスの眼付きに似ているのであった。非常に智的な眼付きなのであった。鼻は所謂る獅子鼻であった。唇がムックリ膨れ上っていた。二つながら強い意志の力の、表現だと云ってもよさそうであった。反逆性のあることを、さながらに示した高い頬骨、精神的苦悶の著しさを、そっくり現わした満面の皺、断じて俺は妥協しない! こう言いたげな根張った顎、そうして頸は戦闘的に、牡牛のように太かった。
顔全体を蔽うているのは、懐疑的の憂鬱であった。
「いかなる物をも信じないよ」
こう云っているような顔であった。
9
「なるほど」と私は心の中で云った。
「従来の美学から云う時は、これは将しく非審美的の顔だ。女や子供には喜ばれまい。だがしかしこの顔こそ、本当の人間の顔ではないか」
基督の肖像と並べて見た。