Classici giapponesi con furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Leggi 銀座復興 他三篇 (いさん) di 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.579 caratteri · 82 schermate
「今度は私共の番ですよ。」
「いいえ、よござんす。いい月夜だから、もう一廻して来ましょう。」
彼は隣人を促して立上った。
「あ、一寸待っとくんなさい。先刻申上げた番小屋建築の件は御異議はありませんな。」
肉屋は二人を呼止めた。
「ええ、みなさん御賛成なら、応分の事は致します。」
彼は隣人をかばって、二人分答えた積りだった。
「井原さんも御賛成下さるんですね。」
肉屋は皮肉に念を押した。隣人は冷かな態度で敢て答えなかった。
「そうです。」
彼はとっさに身替になるような心持で引とって答えて、つかつか往来に出た。
「お、一寸待っとくんなさい。」
又うしろから床屋が声をかけた。
「ここの御屋敷の殿様が下さったんだ。今晩から夜警の者は、こいつを着て、こいつをかぶって貰いてえんだ。」
青年団式の外套と兵隊式の帽子を持って追かけて来た。
「それには及ばないでしょう。」
彼は一応断って見た。
「いけねえ、いけねえ。しっこしのねえなりをしていちゃあ威勢が悪くて為様がねえや。こいつをかぶって、日本男児らしくやって貰わなくちゃあ。」
みさかいもなく兵隊式の帽子を彼の頭にのせ、彼の着ていた外套を無理に脱がせ、青年団式の雨合羽を着せた。