Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Leggi 銀座復興 他三篇 (いさん) di 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.579 caratteri · 82 schermate

Aozora Bunko

なる。

「銀行の連中で、こんな広い庭を持ってる人なんかありゃあしない。先ず頭取と支配人だけだろう。僕は田舎に育って、子供の時分植物や昆虫の興味を先生に吹込まれたが、久しぶりでこうしたところに住むと、樹や草を見るだけでも気が清々する。それにしても飯倉はひどかったからなあ。」

烟草屋の二階の窓に据えて置いた朝顔の鉢は、引越の時に持って来て縁先に置いたが、今では花もすがれてしまった。はかないその一鉢さえ、亜鉛屋根の景色を背景にしては、毎朝開く花の色に相当深い愛着を持ったのであった。

「あたしは騒々しい町の中で生れたので、木の名なんか何も知らないんですよ。」

「だって邸にいた時は、広い庭があったろう。」

「そりゃあ何千坪っていうんですから、広いには広いんですけれど、ただ立派な御庭だと思っただけでしたわ。よく御庭掃除のじいやさんが、あの松一本でも千円の値うちがあるなんて云ってましたけれど。」

「この御寺には珍しくいろんな樹がある。僕がひとつひとつ教えてやろうかな。」

「ええ教えて頂だい。」

二人は縁側に並んで腰かけて、たそがれた庭に向っていた。

「あの門を入ると直ぐ右手の樹は知ってるだろう。