Classici giapponesi con furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Leggi 銀座復興 他三篇 (いさん) di 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.579 caratteri · 82 schermate
「いくらあなただって、かまきりは憎らしいでしょ。」
「あいつはいい奴だよ。大きな時代遅れの武器を持って威張っているくせに、どこかにひょうきんなところがある。虫でいやなものは先ずないなあ。」
「あらいやだ。あたし蛇を見るとぞっとするわ。」
「蛇は綺麗だ。地面を火の波のようにうねって行くところなんか、人間のダンスなんかより余程いいや。」
「あなたって変な方ねえ。」
おときは全く理解出来ないように云ったが、心の中では夫の何事にも細かい観察を忘れないで、面白味を見出すのは広い心の故だと思って感心した。
「相原は不思議なんで御座いますよ。植木だの草花が好きなのはわかっていますけれど、ちいさな虫まで可愛がって決して殺すような事は致しませんの。」
いつも向うから話かけられて、うけこたえばかりしているおときもひそかに自分の夫をほこる心持をまじえて梵妻に話した。
「蝶々や蜻蛉ならよござんすけれど、蛇だの百足だの金ぶんぶんまでお友達かなんかのように思っているんですもの。」
「まあ蛇ですって。いやだいやだ、あたしなんか聞いただけでもぞっとしますよ。」
梵妻はうすい眉毛を寄せて、おびえた表情をして見せた。