Classici giapponesi con furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Leggi 銀座復興 他三篇 (いさん) di 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.579 caratteri · 82 schermate
先ず乙子を先に出し、自分が続いて外に出ると、助かったと思う嬉しさに、どこから出て来たなどと云う見極めのつく考えなんか毛頭なく、芝生の真中にかけて行って、一安心したところだったと云う。
どこから救いの日光がさし込んだか、三人は養子の心当で指さす辺を熱心に見て廻ったが、木材と木材はきっしり喰い合っていて、一寸の隙間さえ見出せなかった。
養子は手足に少し擦過傷を受けていたが、それも大した事はなく、乙子は異常な恐怖に病的におびえて貧血していたけれど、着物の裾が裂けているばかりだった。
「とにかく無事でよかった。愚図愚図していて又海嘯が来てやられてはつまらないし、火事もこっちが風下だから、何か持って行けるものだけ持って引上げよう。」
一郎は乙子を養子に渡して、じいやと澤と三人で物置の方へ廻って行った。
蓙と戸板と丸太と縄を持って、いそいそした心持で松林の避難所に帰って行ったが、一郎の心には岡部の事がいっぱいだった。乙子と養子が助かったので、気が楽になると同時に、友達の家の安否を確めなくては済まなくなって来た。危難にのぞんでいる翠子を救い出す勇士の役目に自分をあてはめて考えると、運動で鍛えた体を働かせたくて堪らなくなった。