Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「そういうお手前達は何人でござるな?」

心を落ち着けて訊き返した。

「南町奉行手附きの与力、拙者は松倉金右衛門、ここにいるは同心でござる」

「与力衆に同心衆、ははあさようでござるかな。……拙者は旗本藪紋太郎、実は道に迷いましてな」

「なに旗本の藪紋太郎殿? ははア」

といったがどうしたものかにわかに態度が慇懃になった。しかしいくらか疑がわしそうに、

「お旗本の藪様とあっては当時世間に名高いお方、それに相違ござりませぬかな?」

「なになに一向有名ではござらぬ」紋太郎は闇の中で苦笑したが、「一向有名ではござらぬがな、藪紋太郎には間違いござらぬよ」

「吹矢のご名手と承わりましたが?」

「さよう、少々仕る」

「多摩川におけるご功名は児童走卒も存じおりますところ……」

「なんの、あれとて怪我の功名で」

「ええ誠に失礼ではござるが、貴所様が藪殿に相違ないという何か証拠はござりませぬかな?」

「証拠?」といって紋太郎ははたとばかりに当惑したが、「おお、そうそう吹矢筒がござる」

こういって懐中から取り出したのは常住座臥放したことのない鳥差しの丑から貰ったところの二尺八寸の吹矢筒であった。