Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
というのは和泉守が家斉公のお気に入りでちょくちょく西丸へやって来てはご機嫌を窺って行くからで、西丸書院番の紋太郎とは厭でも自然顔を合わせる。殊には和泉守は学問好き、それに非常な名奉行で、在職年限二十一年、近藤守重の獄を断じて一時に名声を揚げたこともあり、後年冤によってしりぞけられたが忽ち許されて大目附に任じ、さらに川路聖謨と共に長崎に行って魯使と会し通商問題で談判をしたり、四角八面に切って廻した幕末における名士だったので、紋太郎の方では常日頃から尊敬してもいたのであった。
いぎりすもふらんすも皆里言葉たびたび来るは厭でありんす
和泉守の狂歌であるがこんな洒落気もあった人物で、そうかと思うと何かの都合で林大学頭が休講した際には代わって経書を講じたというから学問の深さも推察される。
「さあ方々部署におつきなされ」
和泉守は命を下す。
「はっ」と云うと与力同心一斉にバラバラと散ったかと思うと闇に隠れて見えなくなり、後には和泉守と紋太郎と和泉守を守護する者が、四五人残ったばかりである。
「藪氏、此方へ」
と云いながら和泉守は歩き出した。
「ここがよろしい」と立ち止まったのはさっき紋太郎が身を忍ばせた門前の大榎の蔭である。