Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
灰、煙り、即希望
小次郎も同じく立ち上がり、
「そうだここは宝隆寺から西一町離れている。そうしてここに道標がある。そうしてここは畑の中だ。それにお日様も傾いてあんなに西に沈んでいる。道標の影もうつっている。――道標、畑の中、お日様は西だ、影がうつる、影がうつる、影がうつる――ちゃアンと暗号文字に合っている。さあもう一度掘って見ようぜ」
そこで二人は鍬を取り、道標の影の落ちた所を、根気よくまたも掘り出した。
石や瓦は出るけれど、平安朝時代の大富豪馬飼吉備彦の隠したといわれる財宝らしいものは出て来ない。
二人はすっかり落胆して鍬を捨てざるを得なかった。
「オイ」
と三津太郎は憎さげに、「お前が西丸で盗んだというその在原業平の軸、もしや贋じゃあるめえかな」
「冗談いうな」
と小次郎もムッとしたようにいい返す。
「千代田の大奥にあった軸だ。贋やイカ物でたまるものか。それよりお前が長崎の蘭人屋敷で取ったという、その文屋と遍昭が食わせものじゃあるめえかな」
「うんにゃ違う、こりゃ確かだ。俺が現在二つの眼で、写山楼の内で見たものだ。そうして文晁がお礼としてあの蘭人にくれたものだ。