Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
そこで権臣は絵師を進め、彼をしてそれにばかり没頭せしめた。
しかるに最近事件が起こった。近習山村彦太郎が、三河風土記を講読した。すると家治は慨嘆した。「俺は今までこんないい本が、世間にあろうとは思わなかった。もっと彦太郎読んでくれ」
そこで彦太郎は陸続と読んだ。それを怒ったのが権臣であった。すなわち田沼主殿頭であった。すぐ彦太郎を退けてしまった。
しかし将軍家はそれ以来大分心が変わったらしい。やや田沼を疎むようになった。そうして下情に通じようとした。田沼はそれを遮ろうとした。しかし将軍は子供ではなかった。一旦覚えた智恵の味を忘れることは出来なかった。で将軍家と田沼との間が、どうも円滑に行かなくなった。五日ほど以前のことであった。田沼は将軍家をそそのかし、上野へ微行で花見に行った、その帰り路のことであった。本郷の通りへ差しかかった。忽ち小柄が飛んで来た。が、幸い駕籠へ中った。小柄には毒が塗ってあった。そうして柄には彫刻があった。銅銭会と彫られてあった。
こうして一昨日の夜となった。その夜将軍家は近習も連れず、一人後苑を彷徨っていた。と、一人の非常な美人が、突然前へ現われた。