Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
その時分から千客万来、どの楼も大入叶うである。
庄司の姓も懐しく甚右衛門の甚にも心を引かれ、勾坂甚内はずっと以前から甚右衛門の楼の馴染とし、この里へ来るごとに立ち寄っていたが、心中では一度甚右衛門に逢って見たいと思っていた。
「庄司甚内と庄司甚右衛門。どうも非常に似ている名前だ。と云って泥棒の庄司甚内が足を洗って遊女屋になり廓中支配役になるようなことは絶対にあるべき筈はないし、もしまたそれがあったにしても、自分は賊であった庄司甚内をかつて一度も見たことがないから、たとえ顔を合わせたところでそれと知ることは出来そうもない」――勾坂甚内はこう思いながらも折りがあったら逢って見たいとやはり思ってはいるのであった。
四
長い暖簾をひらりと刎ね甚内は土間へはいって行った。
「いらっしゃいまし」と景気のよい声、二、三人バラバラと現われたが、
「お、これは白須賀様、ようおいでくだされました。さあさあ常時のお座敷へな、お米さんがお待ち兼ねでござんすに」
白須賀は甚内の変名である。盗んだ金だけに糸目をつけず惜し気なくパッパッと使うのでどこへ行ってもモテルのであった。