Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
喜撰の軸なら紛失したよ」
「え、ご紛失なされましたとな?」
「いや道中で盗まれたのじゃ。眼にも止まらぬ早業でな。あれには俺も感心したよ」
紋太郎は一向平気である。
余りのことに三右衛門はあッともすッとも云えなかった。ただ怨めしそうな眼付きをして主人の顔を見るばかりである。そのうち充血した眼の中から涙がじくじくにじみ出る。
「何んだ三右衛その顔は!」
紋太郎は快活に笑い出した。
「そういう顔をしているから貧乏神が巣食うのだ。めでたい場合に涙は禁物、せっかく来かかった福の神様が素通りしたら何んとする。アッハッハッハッ涙を拭け」
二尺八寸の吹矢筒
「何がめでとうござりましょうぞ」
三右衛門は涙の眼を抑え、
「米屋薪屋醤油屋へ何んと弁解したものか。ああああこれは困ったことになった。それだのにマアマア旦那様は首尾はよいの上々吉だのと。これが何んのめでたかろう」
「まあ見ろ三右衛この筒を」
こういいながら紋太郎はさもさも嬉しいというように手に持っていた吹矢筒をひょいと眼の前へ持ち上げたが、
「お前も知っている鳥差しの丑、俺が吹矢を好きだと知ってか、わざわざ持って来てくれて行った。