Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.029 caratteri · 82 schermate

Aozora Bunko

貧乏人を相手にしない女は、こちとらには縁がないが」

平次はそう言いながら、お静を呼んで外出の支度を急がせるのでした。

「どこへ行くんです、親分」

「もういちど吉田屋へ行ってみようよ。俺はもう何もかもわかったような気がする」

「へエ?」

平次と八五郎は、暮れかかる陽を追って、もういちど三河町へ行きました。

吉田屋では、一応の調べが済んで、お半の葬いの支度にゴタゴタしておりました。素より赤の他人には相違ありませんが、一と月でも半月でも、離屋に置いたお半を、このまま犬猫のように葬るわけにも行きません。

「御主人、お半が持って来たという、若旦那の手紙を見せて貰いたいが――」

「へエ、どうぞこちらへ」

主人の彦七はひどく迷惑そうですが、断るべき口実もないので、平次と八五郎を誘って、店の隣の別室に入りました。

「これでございますが」

用箪笥から取出して、平次の前に押しやったのは、紐で束ねた四十八本の色文。

「この手紙を御主人は皆んな眼を通したのかな」

「いえ、とんでもない、――痛々しくて読む気になりません。――こんな事と知らずにいた親の私が責められるようで――」

彦七は面を伏せるのです。