Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.029 caratteri · 82 schermate
「それが?」
平次は話のテンポの遅いのに業を煮やして口を容れました。
「十八ともなると、どんな御粗末な風をさせても、女の子は綺麗にもなるし、品を作ることも覚える。ましてお妙坊は生れながらの美しい娘で、色白で、背がスラリとして、眼が大きくて、唇が赤くて――親分、どうです、眼の前に綺麗な娘がチラつくでしょう」
「馬鹿野郎、白の雌犬だってチラつくものか」
「弱ったね。ともかく、若くて滅法綺麗になると、女の子はこう妙に物を思うでしょう」
「そうしたものかな」
「千駄木の螢沢と来た日にゃ、林と田圃と葱畑と、馬小屋ばかりだ。弁当持ちで探して歩いたって、ろくなひき蛙もいねえ。ましてお妙の物思いの相手になるようなのは――」
「向うの二階家に、朝倉屋の息子がいると言ったじゃないか」
「えらいッ親分。銭形の親分はさすがに見透しだ。畑と藪を越して、二階の窓と階下の窓と、朝夕顔を合せてるうちに、二人はニッコリ笑ったり、首を振って見せたり」
「そんなに近いのか」
「遠いけれど、二人とも若いから眼が良い」
「そしてお互いに思い思われて、相対ずくで患いついたという話だろう、武家の娘と町人の倅だ。