Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
「だって、そんなに云うのがいやなら、何だけれ共――どうにかなるかと思ったものでネー」
光君は母君の自分をいかにも子供あつかいに何でもかんでも自分で世話しようとするのがいやなような心持になった。
「こんなことで段々私達母子ははなれるんじゃああるまいか」
こんなことも思って見た。
「何でもかんでも母にきかせてよろこんで居られない自分は不幸なのかも知れない」
こんな思いもあとからわき上った。いろいろな思いはわかい柔い心の前をはやてのようにすぎて行く。光君はだまって目をつぶって心をしずめようとして居るところへ兄君が入って来た。
「オヤ、マア、珍らしい方が見える。貴方はこの頃大変風流な御病気だそうだけれ共まだ死んでは割が悪そうですよ」
坐りもしない内からこんなことを云う。
「そんなことをおっしゃるもんじゃあありませんよ、私は何でもなくってもはたでそうきめてしまうんですもの」
幼心な光君はまがおになって云いわけをするとそれを又からかって笑いながらからかって居る。
「貴方の姿が美くしいと云って沢山の女達が思って居ると云うことですネー。私なんかはどうかして思われようとつとめてさえどうしたものかたれも思ってくれない、たまに思ってくれる人が有ると思えば下の下のうずめの命よりなお愛嬌のある人なんかなんだもの、貴方はよっぽどまわりあわせ