Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
男君は女君の大きな衣の下から細工物の様な手をさぐり出してそっとこわれない様にと云うふうに握りながら、
「何故そんなになさるの、私はどんなに貴女のそのかがやく様なかおを扇なしで見たいと思って居たことでしょう、ネ、どうぞこっちを向いて下さい」
女君のすき通る様に白い耳たぼはポーと紅さしてとられた手を放そうともしないで只小さくふるえていらっしゃる様子に光君は、
「どうしたら好いだろう、こんなに可愛い人を」とまで思いながら自分も小さいふるえた声で、
「私は何からさきに云ってよいやらわからない。私はほんとうにもう死んでも好い、貴女のかおを扇なしで見たから、貴女は自分のために命をなげうってまで辛い恋をして居る男を哀れとお思いにならないのエ」
女君は恐れる様に身をふるわせて居る。
「そんなに貴女は私を恐れてそんなにいやがっていらっしゃるの、私はマア――そんな人間になったのだろうか。私は、それだのに、それだのに私はどうしても貴女のことが忘られない、心をこめた錦木も童のおもちゃにされるほどだのに」
「…………」
「何とも云って下さらない、どうぞ何とか云って下さい、『馬鹿者』とでも『おろか物』