Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にしきぎ

錦木

宮本 百合子

Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

几帳のかげで常盤の君の声がする、沢山の女達は急に鏡を見たり袴の紐を結びなおしたりしてどよめき出す。光君は衣をかかえたまま兄君に手を引かれて女の前に行った。

「ほんとうにようこそ御出で下さいました。あんまり淋しゅうございますから誰方か来て下さればと思って居った所でございます、ほんとうにようこそ」

といかにも嬉しそうにじょさいない口調で云う。

「私の来たのよりこの人の来た方がどれだけ嬉しいのだか知れたものでない」

女は微笑みながら光君の方をチョイチョイ流目に見る。

「貴方は何故そんなにぼんやりして居るの、しっかりなさい」

ぽんと光君の背を叩いて紫の君の衣を指さして女と目を合せて笑う。女は表では快く笑いながら心の中にはヤキモキして大変飛びかかりたいほどである、あんなに自分をきらった人がどうして来たのかとうすきみわるく妙にも思った。女達は三人を取り巻いていろいろの話をしてはしゃいで居る、しばらく話してから兄君は何と思ってか光君を一人のこしてかえってしまわれた。女達は遠慮した様にみんな次の間に立って行ってしまった、加なり広い部屋の几帳の中には立った二人きりになってしまった。