Classici giapponesi con furigana
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かぎ
鍵
谷崎 潤一郎
Leggi 鍵 (かぎ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.182 caratteri · 200 schermate
午前七時、婆やが来たので、敏子が午後にまた来ると云って、いったん関田町に帰った。
敏子の出て行くのを待って木村の宿へ電話する。詳細に容態を知らせる。今のところ見舞に来ることは差控えた方がよい旨を告げる。気が済まないからちょっとでも行かしてほしいと云う。が、病人は半身不随で言語は自由を缺いているけれども、意識は全然昏濁しているというのでもないらしい、だから木村の顔を見て興奮する恐れがないとは云えない由を語る。では病室へは通らない、玄関まででも行かしてくれと云う。
九時頃から夫が鼾を掻き始める。夫は常に鼾を掻く癖があるのだが、今日のは特別に物凄い鼾で、いつものと違うように思う。それまでは朦朧たる意識が働いていたように見えたが、いつの間にか昏睡状態に入ったらしいのである。また木村に電話して、この工合なら病室へ通っても差支えないと云ってやる。
十一時頃児玉氏より電話。相馬博士と連絡が取れた、午後二時そちらへ往診に見えられる由であるから、私も立ち合いますと云う。
午後零時半過ぎに木村が来る。月曜日の授業の合間に抜けて来たのである。病室に通り、三十分ほど枕元に侍坐する。