Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぎからぬけだしたおんな

鍵から抜け出した女

海野 十三

Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

ただ証拠としては、特別の形をもった薄刃の凶器と、そのとき紛失した小函とその風変りな鍵の行方とが、後に残された。

ハルピン虎は、何喰わぬ顔をして帰朝し、今は未亡人となったお鳥を訪ねて、悔みやら向うの模様を都合よく語ったりしたが、そのうちにお鳥の容色に迷い、遂に通じてしまったばかりか、実は莫大な遺産が僕の上に落ちてくるのを見すまし、悪心を起して横領を企てるに至った。継母お鳥も、いまは情念の悪鬼となり、虎に同意をして、下心あってあの黄風島へ渡り、計画に従って僕を病気として精神病院に入れ、折を見て殺害し、遺産を横領しようというつもりのところ、僕に脱走されてしまったのだった。その騒ぎの大きかったのも無理はない。――秀蓮尼は、こっちへかえるとき、ハルピン虎を正当防衛で射殺して来たそうだ。だから僕のために仇敵をうったも同然だ。

「どうして貴方は、虎なんかと渡りあったんです」

と僕が尋ねると、彼女は言葉をついで云ったことである。

それはもちろん、例の小函を探すためだった。僕が持っていた鍵によって、小函がハルピン虎の手にあることを知り邸内に忍びこんで、トランクを合鍵で開けて盗み出し、出ようとするところをハルピン虎に見つかったのだった。