Classici giapponesi con furigana
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かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate
しかし兎に角、問題は二尺の距離だった。もし二尺ばかりの棒切れが手許にありさえすれば、こいつを手に握って腕金の錘りにまで届かせることができるのだった。だが監禁室にはそんな棒切れは厳禁になっている。いや棒切れどころか、硬いものは釘一本小楊子一本でも許されないのだ。――遂にこの計画は実行ができないのであろうか。
ところが人間の知恵なんて恐ろしいもので、僕はとうとう二尺ばかりの棒切れを手に入れることができたのだった。といって監守を買収したのではない。だれの厄介にもならずに僕一人で二尺の棒切れを作りあげたのだった。
そういうと、僕がまるで手品でも使ったように聞えるが、――そうだ、これはやはり手品のうちかも知れない。とにかく僕は考えるところがあって、母親のところへ使を立て、腹をこわしているので朝と昼とはうどんを差入れてくれるように頼んでもらった。すると返事があって、監守が伝えた。
「オイ北川、悦んでいいぞ、これから朝昼二食はうどんを取ってやる。但しいつも一杯だけだぞ」
それから僕は二食をうどんにし、夕方だけ飯を食べた。本当は、別に腹をこわしているわけでもなく外に思わくがあったのだった。