Classici giapponesi con furigana
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くにさだえがく
鏡花短篇集 川村二郎編
泉 鏡花
Leggi 鏡花短篇集 川村二郎編 (くにさだえがく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.644 caratteri · 40 schermate
を額に振分け、ごろごろと錫を鳴らしつつ、塩辛声して、
「……姫松どのはエ」と、大宅太郎光国の恋女房が、滝夜叉姫の山寨に捕えられて、小賊どもの手に松葉燻となる処――樹の枝へ釣上げられ、後手の肱を空に、反返る髪を倒に落して、ヒイヒイと咽んで泣く。やがて夫の光国が来合わせて助けるというのが、明晩、とあったが、翌晩もそのままで、次第に姫松の声が渇れる。
「我が夫いのう、光国どの、助けて給べ。」とばかりで、この武者修業の、足の遅さ。
三晩目に、漸とこさと山の麓へ着いたばかり。
織次は、小児心にも朝から気になって、蚊帳の中でも髣髴と蚊燻しの煙が来るから、続けてその翌晩も聞きに行って、汚い弟子が古浴衣の膝切な奴を、胸の処でだらりとした拳固の矢蔵、片手をぬい、と出し、人の顋をしゃくうような手つきで、銭を強請る、爪の黒い掌へ持っていただけの小遣を載せると、目をったが、黄色い歯でニヤリとして、身体を撫でようとしたので、衝と極が悪く退った頸へ、大粒な雨がポツリと来た。
忽ち大驟雨となったので、蒼くなって駈出して帰ったが、家までは七、八町、その、びしょ濡れさ加減思うべしで。