Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Leggi 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.305 caratteri · 66 schermate

Aozora Bunko

」

「この奥の知れない山の中へ入るのに、目標があの石ばかりじゃ分らんではないかね。

それも、南北、何方か医王山道とでも鑿りつけてあればまだしもだけれど、唯河原に転っている、ごろた石の大きいような、その背後から草の下に細い道があるんだもの、ちょいと間違えようものなら、半年経歴っても頂には行かれないと、樵夫も言ったんだが、全体何だって、そんなに秘して置く山だろう。全くあの石の裏より外に、何処も路はないのだろうか。」

「ございませんとも、この路筋さえ御存じで在らっしゃれば、世を離れました寂しさばかりで、獣も可恐のはおりませんが、一足でも間違えて御覧なさいまし、何千丈とも知れぬ谷で、行留りになりますやら、断崖に突当りますやら、流に岩が飛びましたり、大木の倒れたので行く前が塞ったり、その間には草樹の多いほど、毒虫もむらむらして、どんなに難儀でございましょう。

旧へ帰るか、倶利伽羅峠へ出抜けますれば、無事に何方か国へ帰られます。それでなくって、無理に先へ参りますと、終局には草一条も生えません焼山になって、餓死をするそうでございます。

本当に貴方がおっしゃいます通り、樵夫がお教え申しました石は、飛騨までも末広がりの、医王の要石と申しまして、一度踏外しますと、それこそ路がばらばらになってしまいますよ。