Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ながさきのいんしょう
長崎の印象
宮本 百合子
Leggi 長崎の印象 (ながさきのいんしょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.996 caratteri · 28 schermate
「三菱造船所が見えるね」
と、手摺のところにいたが、
「一体、あのホテル、どの見当なんだろう。ここから……」
女中をよんで地図をとりよせた。
「さて、そろそろ研究にとりかかるかな」
生来地図好きなYは、新しい町に到着し、先ず其処の地図を拡げる時、独特な愉快を感じるらしい。今度、長崎に来たのだって、謂わばYのこの地図に対する情熱が大分原因となっていた。最初、私共は、小石川老松町の家にいて、四月二十七日に自分達が東京駅から九州へ出発しよう等と夢にも考えていなかった。三月初旬に、Yは大腸カタールをした。家にいては食物の養生が厳格に行かない。「病院へ入る方がいいのよ、」と私が云った。「そう――だが温泉に行きたいな。」この一言が、我々を九州まで運ぶ機縁になろうと誰が思いがけよう。「温泉て――何処?」「別府どんなだろう。」「いやよ、駄目でしょう、あんな処! 俗地らしくてよ。」四月十五日過、二十日過、Yの或る仕事のきりがつく見込みがついたら、私共は遂に自制力を失った。仕様がない、何処から旅費が出るのよ、と困りつつ、嬉しさ一杯で私達が神戸迄の切符を買ってしまった。紅丸で別府へ行った。