Classici giapponesi con furigana
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かいかのおっと
開化の良人
Leggi 開化の良人 (かいかのおっと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.438 caratteri · 32 schermate
』私たちはしばらく口を噤んで、暗い川面を眺めました。この時もう我々の猪牙舟は、元の御厩橋の下をくぐりぬけて、かすかな舟脚を夜の水に残しながら、彼是駒形の並木近くへさしかかっていたのです。その中にまた三浦が、沈んだ声で云いますには、『が、僕はまだ妻の誠実を疑わなかった。だから僕の心もちが妻に通じない点で、――通じない所か、むしろ憎悪を買っている点で、それだけ余計に僕は煩悶した。君を新橋に出迎えて以来、とうとう今日に至るまで、僕は始終この煩悶と闘わなければならなかったのだ。が、一週間ばかり前に、下女か何かの過失から、妻の手にはいる可き郵便が、僕の書斎へ来ているじゃないか。僕はすぐ妻の従弟の事を考えた。そうして――とうとうその手紙を開いて見た。すると、その手紙は思いもよらないほかの男から妻へ宛てた艶書だったのだ。言い換えれば、あの男に対する妻の愛情も、やはり純粋なものじゃなかったのだ。勿論この第二の打撃は、第一のそれよりも遥に恐しい力を以て、あらゆる僕の理想を粉砕した。が、それと同時にまた、僕の責任が急に軽くなったような、悲しむべき安慰の感情を味った事もまた事実だった。