Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かのように

阿部一族・舞姫

森 鴎外

Leggi 阿部一族・舞姫 (かのように) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.875 caratteri · 141 schermate

Aozora Bunko

石田は襦袢袴下を着替えて又夏衣袴を着た。常の日は、寝巻に湯帷子を着るまで、このままでいる。それを客が来て見て、「野木さんの流義か」と云うと、「野木閣下の事は知らない」と云うのである。

机の前に据わる。膳が出る。どんなにゆっくり食っても、十五分より長く掛かったことはない。

外を見れば雨が歇んでいる。石田は起って台所に出た。飯を食っている婆あさんが箸を置くのを見て「用ではない」と云いながら、土間に降りる縁に出た。土間には虎吉が鳥に米を蒔いて遣って、蹲んで見ている。石田も鳥を見に出たのである。

大きな雄鶏である。総身の羽が赤褐色で、頸に柑子色の領巻があって、黒い尾を長く垂れている。

虎吉は人の悪そうな青黒い顔を挙げて、ぎょろりとした目で主人を見て、こう云った。

「旦那。こいつは肉が軟ですぜ。」

「食うのではない。」

「へえ。飼って置くのですか。」

「うむ。」

「そんなら、大屋さんの物置に伏籠の明いているのがあったから、あれを借りて来ましょう。」

「買うまでは借りても好い。」

こう云って置いて、石田は居間に帰って、刀を弔って、帽を被って玄関に出た。玄関には島村が磨いて置いた長靴がある。