Classici giapponesi con furigana
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ようきなきゃく
陽気な客
山本 周五郎
Leggi 陽気な客 (ようきなきゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.086 caratteri · 46 schermate
――神戸という土地は摩耶山おろしとかいって冬のはじめから凛寒な風が吹く。おれが厄介になっていた大村さんの家は須磨の離宮山の下で、南向きの日当りのいい環境だから暖かいが、市内では十一月末となると、朝晩の寒さには誰しもかなわないと云った。
――月給日のことだった。これだけは云わずにはおれないんだが、おれは社長からあっさり馘だと宣告されて、ある程度まで失望と驚きにうたれずにはおれなかった。
「きみにも不満はあるかしらんけど、こっちゃにも云いたいことはあるねんけど、わいはよう云わんとくさかい、きみもおとなしく引取っとくなはれ」
「おかしいですね、それはどういう意味ですか」
おれとすればかなり馘にはなりたくない気持だった。社長はなにか誤解しているらしい口ぶりだもんだから、誤解がとけて首がつながるものならと考えたわけなんだ。……だが、ちょび髭はついと月給袋をつき出し、一種の中途はんぱな表情でにやにや笑った。
「もうええわいや、もうなにも云うことあれへん、だが口は禍いのもとちゅことがあるよってな、これからは気いつけなはれや」
まるで不正乗車をして伴れて来られた乗客に対するどこかの私鉄の駅長みたような口ぶりであった。