Classici giapponesi con furigana
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ようきなきゃく
陽気な客
山本 周五郎
Leggi 陽気な客 (ようきなきゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.086 caratteri · 46 schermate
――九月の二十日あたり入社したんだろう、社長はわりかたおれの立場というものに同情を感じたらしかった。彼は五尺あるかなしかの小男で、焦茶色にもなり蒼黒くもなる顔色の、骨ばかりのように痩せた、そして鼻の下にちょび髭を立てたという風態なんだ。少しばかりは出っ歯だったかもしれない。……いつもちょこまかと出たり入ったりしては、甘ったるいような声でよほど社長めいた口をきいた。
「せやよってに今月はもうなんやよってに月給は十月分からきちっとあげまっさ」
こう云って彼はちょび髭を撫で、そうしてちょび髭を撫でながらおれを伴れていって、机に向かってなにか書いている三人の男に紹介してくれたんだ。……こちらが編集局長の田口詩楼はん、こっちゃが主筆の仲井語楼はん、これが総務の福地録楼はんというわけさ。おれは語楼はんの部に所属して、随時に編集局と総務部の応援をするという割当だったんだが、くわしいことはいま云いたくない。
――田口詩楼氏は、……おれは敢えて今でも氏と呼ぶことを恥じない。美しい口髭の、おもながで色の白い美男子であった。ものを云うときに唇がちょっとばかり歪まるんだが、静かなおっとりした調子で話すのが、いかにもおひとがらで、そんなふうな雑誌社にいる人間とはみえない。