Classici giapponesi con furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Leggi 陽炎座 (かげろうざ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.381 caratteri · 67 schermate
」
と熟と覗く。
途端に、沈んだが、通る声で、
「私……行燈だよ。」
「わい、」と叫んで、饂飩屋は舞台を飛退く。
十一
この古行燈が、仇も情も、赤くこぼれた丁子のごとく、煤の中に色を籠めて消えずにいて、それが、針の穴を通して、不意に口を利いたような女の声には、松崎もぎょっとした。
饂飩屋は吃驚の呼吸を引いて、きょとんとしたが
「俺あ可厭だぜ。」と押殺した低声で独言を云ったと思うと、ばさりと幕摺れに、ふらついて、隅から蹌踉け込んで見えなくなった。
時に――私……行燈だよ、――と云ったのは、美しい女である事に、松崎も心附いて、――驚いて楽屋へ遁げた小児の状の可笑さに、莞爾、笑を含んだ、燃ゆるがごときその女の唇を見た。
「つい言ッちまったのよ。」
と紳士を見向く。
「困った人だね、」
と杖を取って、立構えをしながら、
「さあ、行こうか。」
「可いわ、もうちっと……」
「恐怖いよう。」
と子守の袂にぶら下った小さな児が袖を引張って言う。
「こわいものかね、行燈じゃないわ。……綺麗な奥さんが言ったんだわ。」とその子守は背の子を揺り上げた。
舞台を取巻いた大勢が、わやわやとざわついて、同音に、声を揚げて皆笑った……小さいのが二側三側、ぐるりと黒く塊ったのが、変にここまで間を措いて、思出したように、遁込んだ饂飩屋の滑稽な図