Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate

Aozora Bunko

すべて私にとっては、専門外の考究なので、脇本氏からそういわれると、そうかなあと思い、また突っ込み放しにしておいたが、ただ自分に、画はともかく、題語の愚堂和尚の賛が時折気になって、それだけはどう凡眼で眺めて、他人の戯れ筆や偽作とは思えなかった。いつ見ても、いかにも素朴な、禅林の人によくあるいかつさや誇筆の風もなく、素直で淡々たるものが、そのありのままな墨色と共に、見ていていい気もちを与えてくれるのである。

偶然のこと。或る日、新井洞巌翁が私の書斎へ来て、ふと壁間のそれへ眼をやると、

これはいいな。

と座を立って、ややしばらく見ていたが、座へ戻って来て、自分も、五十年に近い南画人生活のうちに、宮本武蔵の画と称するものは、ずいぶん見て来たが、きょうほど何か真に打たれたことはない。これは武蔵の画のうちでも真に傑作といえるものでしょう。細川家所蔵の幾点かの作品と、他二、三の著名な物のほかは、そう自分で深い感銘をうけたものはないが、これなどは、驚目に値するものである。もとより、粉本があって描いたものと思われる。呉道子あたりかも知れない。武蔵の遺作に、彩画はないなどとよく誰もいうていることだが、あったって何のふしぎでもない。