Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
以来忘れたことはない。事武蔵に関する限りどんなくだらない物でも、断簡零墨、心にとめて五回や十回の応戦には尽きないだけの論駁を持とうと願っていたのである。ところが、先へ死んでしまった。
新聞小説に武蔵を書き、ここにこんなことを書くのも、しかし、亡友の毒舌の恩である。あの男のことだから、ここまでのことでも、たくさん異論を抱くだろうが、死んだが損というものだ、こんどはそッちで苦笑していてくれ。
横道へ外れてしまったが、さて、いくら武蔵伝の側に史実性が貧弱で、要約六、七十行の正伝しかないにしても、享保版「吉岡伝」などはどう煎じ出してみたって、史実のシの字も出てくる書じゃない。僕は、実物を手にしないことを遺憾とし、他書の抜抄をもってしかも断言するのだが、そんなもの見なくたって分り切っている。およそ史書を漁るのにその程度のカンがなかったら五十年を何百年生きていても、そのほかに小説などは書けまい。このカンは僕よりも直木のほうが遥かに豊かだったことは、今以て僕の追慕するところでもある。
とにかく「吉岡伝」は、武蔵伝の群書に対して、余りに権威がなさ過ぎる。悪戯にもならない稚気の著述である。