Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
その稀れなものが、しかも武蔵の作品中、第一の傑作といわれる「枯木鳴鵙図」を、偶然にも、自分の宅へ持込んで来たはなしがある。これは今の所蔵者は、長尾欽也氏とわかっていることだし、重要文化財に指定されて、その名幅たる位置も、厳然となっている今日なので、書いても決して、所蔵者をも画幅をも傷つけることにはなるまいと思われるので、閑話休題として、茶ばなしに語ってみる。
健忘症なので、もう十何年前になるか、八年ぐらい前か、よくは覚えていない。ただ、自分がまだ芝公園に住んでいた時代。そしてまだ朝日紙上に、小説宮本武蔵も書いていなかった頃である。――だから多分そのくらい前のことだったと思う。
時々、閑な時、近くの美術倶楽部をよく覗きに行ったので、よく札元になる画商の店員が何かおのぞみはなどとすすめに来た。或る時、その店員が、相当な大幅らしいのを風呂敷につつんで、こういう幅が出ましたがどうでしょうか。物が物なので、こちらなら真向きと思ってお目に懸けに持って出ましたがという。
風呂敷を解かないうちに、何かね、と訊くと、宮本武蔵の画ですという。まず訊くだけで閉口した。