Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Leggi 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.947 caratteri · 114 schermate
命松丸は生涯、兼好法師にかしずき、兼好の死後、師の反古を集めて今川了俊に提出し、あの“徒然草”を残した者だといわれている。その命松が、ふところだの、ふとんの中にまで、雀を飼って愛していたと書いたので、たちまち二、三人から「そんなことが徒然草にも書いてあるのか」とか「雀がそんなに人に馴れるかしら?」などとあやしまれた。
もとより徒然草にそんなことは載っていない。いまの都会とちがって、南北朝時代の京都などには、京雀ともいうほど朝夕わんさと雀が囀ッていたろうし、兼好法師などはその藪雀の一羽に似ていた。けれど小説中の雀は私の創作である。といって、でたらめを書いたのでもない。宮津地方の人で、子供のじぶんからほんとに雀が好きで、命松丸がやったように雀を飼い馴らした人をじつはモデルにしたのである。
でも、あまり質されると少々動揺して、おそまきながら中西悟堂氏の著書だの雀譜や辞書など調べてみた。と、やはり雀は馴らせばどんなにでも馴れるものとあったので安心した。中西さんの実験だと、家族同様、外出にも連れ歩くし、朝の味噌汁の椀のふちに止まった雀が、足をすべらして、汁の中に落ッこちてしまい、中西さんのあの白いヒゲの童顔を、味噌汁だらけにしたことなどもあるそうだ。